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コンピュータ関連ネタがほとんど、ときどき趣味も…

オープンソースカンファレンス 2019 Tokyo/Spring まとめ

数年ぶりに参加したので、聴講したセッションの内容をまとめた。

https://www.ospn.jp/osc2019-spring/

(1) OpenSDS,始めてみませんか(BOF

OpenSDSとは

各社のストレージ製品を統一管理するためのソフトウェア(管理のみでデータ送受信は既存のプロトコルを使う。)

Kubernetes CSI (Container Storage Interface) 用のDriverも開発されている。

現在のステータス

開発コミュニティはLinux Foundationがホストしている。EMCやHuaweiに加えて、NTTコミュニケーションズYahoo! Japanといった日本メーカーも参加して開発を進めているが、現在はまだデモができるレベルの完成度となっている。

参考

(2) Ansible・Serverspecベースの自動化のフレームワークSHIFT wareの紹介

SHIFT wareとは

TIS株式会社が開発するインフラ管理自動化のためのオープンソースソフトウェア

https://shift-ware.github.io/ja/

Ansibleの設定ファイルとServerspecのテストコードをExcelから自動出力できる。インフラ管理者が使い慣れているExcelを使うことで、導入時の学習コストを下げられる。

  • Ansible:サーバー構成管理ツール(yamlで設定ファイルを書いていく)
  • Serverspec:サーバーテストツール(Rubyでテストコードを書いていく)

(3) Elastic Stackでマイクロサービス運用を楽にするには?

Elastic Stackとは

Elasticが開発するデータの収集・検索・分析・可視化のためのOSSの組み合わせ

  • Beats
    • 軽量データシッパー
    • パケット、ファイル、各種メトリクスなどを送信する。
  • LogStash
    • データのパースや変換を行う。
  • Elasticsearch
  • Kiabara
    • データを可視化・ダッシュボード機能を提供する。

SaaS版(Elastic Cloud)やオンプレミス版(Elastic Cloud Enterprise)も提供されている。

マイクロサービス運用での活用

Beatsファミリーでマイクロサービスの様々なデータを収集できる。

APM (Application Performance Monitoring) にも対応している。

  • 各アプリケーションフレームワーク用のエージェントを組み込むことで分散トレーシングができる。

その他に、通常時のログから機械学習でモデルを作成し、異常検知を行う機能(有償)もある。

参考

(4) スケールアウト型データベース GridDB

GridDBの概要
データモデル
  • NoSQLで一般的なキーバリュー型とは異なり、行指向に近いキーコンテナ型というデータモデルを採用している。
  • キーバリュー型では各行をキーとバリューの組み合わせで表現するが、キーコンテナ型ではキーに対応するコンテナに行を格納する。
  • 時系列データを扱いやすく、コンテナ内では行単位のACIDトランザクションもサポートされる。
クラスタ構成
  • ノード間でマスターノードを自動的に決定するため、管理ノードが不要で単一障害点がない。
  • ノード間でのデータの偏りが生じないように、データの再配置を自律的に行う。
性能比較
  • 主としてメモリにデータを格納することで高速なアクセスを実現する。
  • Yahoo! Cloud Service BenchamarkではCassandraを上回る性能が出ている。
参考