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熊とワルツを

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

久々にこの手の書籍を読みました。 簡単に要約と感想だけ。

要約

  • 価値を生み出すプロジェクトであれば、不確定な要素(リスク)は必ず存在する。
  • 納期、コストはプロジェクト開始時に見えていることを積み上げて計算するため、遅延、増加することが多い。
  • 発注者には、リスクの実現確率と実現時の影響を加味した、納期とコストの確率分布図(リスク図)を提示する必要がある。
  • リスクを管理するには、「リスク洗い出し→実現確率・影響の見積もり→危機対応・軽減策の作成→監視」をプロジェクト期間中継続する。
  • インクリメンタルな開発は、結果的にコンポーネントの優先順位付けをするため、リスク管理と相性が良い。

感想

これまでの経験上、納期とコストは計画を上回ってしまうことの方がはるかに多いです。 そしてその度に反省会をして、これが抜けていた、あれが予想外だった、では次はこうしよう、と改善するのですが、 このサイクルを何度回しても計画達成率はあまり変わらず、少しずつ反省会も形骸化していってしまう気がしていました。

私にとって計画にリスクを積むという行為は新鮮だったのですが、この理由は私の会社では「バッファを積む」という行為が否定されがちだからなのだと思います。 リスク図のように、リスクを確率論的にとらえると、「バッファを積む」行為も多少は納得感が出る気がします。

ただ肝心なことは「何のための納期とコストなのか」で、少し頭を下げれば良いだけなのか、関係各所に影響が出てプロジェクトが破たんするのか、 納期とコストの目的に合わせてリスクを積んでいくのが大切だと思います。